みち ~道~ 第165回
『みち』 目次
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『みち』 ~道~ 第165回
「読み出したら止まらなくて」 サラダを口に入れた。
「僕も負けていられないな。 色んな本を買い込まなくっちゃ織倉さんにおいていかれるな」
「私は本を買う余裕がありませんから全部図書館なのでここを知りたいと思ってもなかなか思う本が置いていなくて」
「本も1冊ならいいけど沢山買うと結構財布にきますからね」
「そうなんです。 だから覚えていることも中途半端になっちゃっうんです。 本当は大事な所をアンダーラインにして置いておきたいんですけどそれも出来なくて。 それに期限までに返すとなると覚えるのも中途半端になっちゃって」
「失礼ですけど織倉さんお給料は・・・ちょっと厳しいの?」
「ちょっとどころじゃじゃないです」
「確か、転職されたんですよね」
「はい。 前のところがまぁまぁ良かったので貯金はあるんですけど、今のところは少ないので本を買うどころか貯金にまでもなかなかいけないんです」
「普通は少しでもお給料が高いからって転職をするのに、どうしてお給料が下がるところにいったんですか?」
「私にも分からないんです。 何故だか今のところに行っちゃったんです」
「そうなんですか・・・あの・・・」 野瀬が言い難そうにしている。
「はい?」
「例の話、今がいくら貰っているかは僕の知る所じゃありませんけど、正道さんのところに行くと少しでも給料が上がると思いますよ」
「う・・・ん。 確かにお給料が上がるのは嬉しいんですけど それだけじゃないって言うんでしょうか。 職を探していた時は少しでもマンションから近い所を探してましたし、何よりも会社の人たちがとても温かくて・・・」
「そうですか・・・僕も無理強いは出来ませんからね」
「それに私には無理です」
「そのことについては織倉さん自身より正道さんを信用された方がいいと思いますよ。 あ、別に織倉さんを疑えって言ってるんじゃないですよ。 正道さんの目を信じてみたらどうですか?」
「正道さんは信じています。 あんなに微細で暖かい空気を持っていらっしゃるんですから間違ったことを言う方じゃないとは思っています。 ・・・でも・・・どう考えても私には無理です」
「織倉さんもっと自分に自信を持たなくちゃ」
「自身なんて・・・何処をどう探しても何の取り柄もないんですよ。 自信を持つ材料も何もありません」
「少なくとも更紗さんも僕も織倉さんに癒されてますよ。 人を癒せるって大切なことですよ」
「そう言っていただくと嬉しいんですけど自覚がないというか・・・」
「私は人を癒せるんですー! って大声で言ってる人は本当に癒せてる人じゃないですよ」 そう言って何気なく時計を見た。
「わっ! ヤバ! もうこんな時間になってたんだ。 織倉さんちょっと急いで食べましょうか」
「まぁ、私が喋りすぎました。 ごめんなさい。 早く食べますね」 その言葉を聞いて
「もう、織倉さんって・・・」 琴音を見ながら一言そういった。
野瀬に連れられ待ち合わせの店に入った。 時計を見た野瀬が
「5分前。 ギリギリセーフでしたね」
「間に合って良かった。 あの話になると止まらなくて」
「あはは、大丈夫ですよ 更紗さんって 僕との約束の時にはなかなか時間の守れない人ですから 5分前って言っても後5分経っても来ない人だから。 本当はまだ余裕はあるんですけどね」 店のボーイが野瀬を見て予約の席に案内をした。
席に着くなり
「更紗さんが来るまでにさっきの続きで色んな話を聞かせてもらえます?」
「イスラエルの話ですか?」
「うん、そう。 縄文時代もいいけど織倉さんの話を聞いてるとなんだか僕もすごくワクワクしてきましたよ」
「縄文時代は本が少ないですけど、こちらの方は色んな本が出ているみたいですから読み甲斐がありますよ」
「うわ、楽しみだなぁ・・・って、買う前から何言ってんだろう。 どの本から始めようかなぁ」
「少なくとも骨格はいらないですよね」 二人で大笑いだ。 そこへ
「あーら、二人で盛り上がっちゃってるわね」 更紗の声だ。
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「読み出したら止まらなくて」 サラダを口に入れた。
「僕も負けていられないな。 色んな本を買い込まなくっちゃ織倉さんにおいていかれるな」
「私は本を買う余裕がありませんから全部図書館なのでここを知りたいと思ってもなかなか思う本が置いていなくて」
「本も1冊ならいいけど沢山買うと結構財布にきますからね」
「そうなんです。 だから覚えていることも中途半端になっちゃっうんです。 本当は大事な所をアンダーラインにして置いておきたいんですけどそれも出来なくて。 それに期限までに返すとなると覚えるのも中途半端になっちゃって」
「失礼ですけど織倉さんお給料は・・・ちょっと厳しいの?」
「ちょっとどころじゃじゃないです」
「確か、転職されたんですよね」
「はい。 前のところがまぁまぁ良かったので貯金はあるんですけど、今のところは少ないので本を買うどころか貯金にまでもなかなかいけないんです」
「普通は少しでもお給料が高いからって転職をするのに、どうしてお給料が下がるところにいったんですか?」
「私にも分からないんです。 何故だか今のところに行っちゃったんです」
「そうなんですか・・・あの・・・」 野瀬が言い難そうにしている。
「はい?」
「例の話、今がいくら貰っているかは僕の知る所じゃありませんけど、正道さんのところに行くと少しでも給料が上がると思いますよ」
「う・・・ん。 確かにお給料が上がるのは嬉しいんですけど それだけじゃないって言うんでしょうか。 職を探していた時は少しでもマンションから近い所を探してましたし、何よりも会社の人たちがとても温かくて・・・」
「そうですか・・・僕も無理強いは出来ませんからね」
「それに私には無理です」
「そのことについては織倉さん自身より正道さんを信用された方がいいと思いますよ。 あ、別に織倉さんを疑えって言ってるんじゃないですよ。 正道さんの目を信じてみたらどうですか?」
「正道さんは信じています。 あんなに微細で暖かい空気を持っていらっしゃるんですから間違ったことを言う方じゃないとは思っています。 ・・・でも・・・どう考えても私には無理です」
「織倉さんもっと自分に自信を持たなくちゃ」
「自身なんて・・・何処をどう探しても何の取り柄もないんですよ。 自信を持つ材料も何もありません」
「少なくとも更紗さんも僕も織倉さんに癒されてますよ。 人を癒せるって大切なことですよ」
「そう言っていただくと嬉しいんですけど自覚がないというか・・・」
「私は人を癒せるんですー! って大声で言ってる人は本当に癒せてる人じゃないですよ」 そう言って何気なく時計を見た。
「わっ! ヤバ! もうこんな時間になってたんだ。 織倉さんちょっと急いで食べましょうか」
「まぁ、私が喋りすぎました。 ごめんなさい。 早く食べますね」 その言葉を聞いて
「もう、織倉さんって・・・」 琴音を見ながら一言そういった。
野瀬に連れられ待ち合わせの店に入った。 時計を見た野瀬が
「5分前。 ギリギリセーフでしたね」
「間に合って良かった。 あの話になると止まらなくて」
「あはは、大丈夫ですよ 更紗さんって 僕との約束の時にはなかなか時間の守れない人ですから 5分前って言っても後5分経っても来ない人だから。 本当はまだ余裕はあるんですけどね」 店のボーイが野瀬を見て予約の席に案内をした。
席に着くなり
「更紗さんが来るまでにさっきの続きで色んな話を聞かせてもらえます?」
「イスラエルの話ですか?」
「うん、そう。 縄文時代もいいけど織倉さんの話を聞いてるとなんだか僕もすごくワクワクしてきましたよ」
「縄文時代は本が少ないですけど、こちらの方は色んな本が出ているみたいですから読み甲斐がありますよ」
「うわ、楽しみだなぁ・・・って、買う前から何言ってんだろう。 どの本から始めようかなぁ」
「少なくとも骨格はいらないですよね」 二人で大笑いだ。 そこへ
「あーら、二人で盛り上がっちゃってるわね」 更紗の声だ。