彼女達 第15回
彼女達 第15回
「あ、今バカにした?」
「そんな事ないよ。 でもジャージって」 まるで思い出し笑いのように クスッと笑った。
「それが大切なんだから。 うちの親からしてみたら いつもうちに遊びに来るのはバトン部の連中でしょ、服装がね・・・気に入らないみたい」 バトン部の連中は いわばおっかけをしている連中だ。 たとえ志乃であろうと 服装も大体察しがつく。
「ああ、そう言う事。 ・・・ぷぷぷ そんな事で?」 さっきよりは 少し大きめに笑った。
「そんなことって、簡単な問題じゃないのよ。 うちにとったら大変なことなんだから」 秋美の声が大きくなった。
「笑っちゃいけないとは分かるけど 可笑しい、笑っちゃうー」 久しぶりに大声で笑った。
「何で笑うのー!」 秋美が上を仰ぐように言ったその言葉を聞いて もう一度大笑いの志乃であった。
数日後、進路指導室から 志乃に呼び出しの放送が鳴った。
「志乃、合格を告げられる日が来たわね」 真紗絵が言った。
「分かんないわよ。 ああ、行くのウザったい」 就職指導の言葉を信じていない志乃。
絶対に落ちていると思っているだけに すぐに行く気になれない。
「ついて行ってあげるわよ」 合格が決まっている真紗絵は余裕だ。
「いい、一人で行ってくる」 ダルそうに席を立った。
進路指導室
「失礼します」
「おお、お前 A会社 合格の知らせが来たからな。 ちゃんと頑張ってやっていけよ」
「え? 合格ですか?」
「お前、俺は何度言った? 信用してなかったのか?」
「はい」
「お前なぁー。 ・・・まぁいい、とにかく合格だ。 学校の顔を汚すんじゃないぞ」 会社パンフレットと 今後の説明を書かれた封筒を渡された。
「はい」 分厚く重い。
「それだけだから もういいぞ」
「はい。 失礼します」 進路指導室を出て教室に向かった。 教室に入るとすぐに秋美が
「どうだった? お泊り出来そう?」 数日前の話の事だ。