彼女達 第7回
彼女達 第7回
ある日 二人でテニス部の部室に歩いていくと 秋美が下駄箱のほうに向かって歩いているのを見かけた。
「秋美!」 真紗絵が呼んだ。
「何?」 振り向いた秋美が返事をした。
「今から帰るの?」
「うん」
「一緒に遊んでいかない?」
「遊ぶって?」 二人の方に歩いてくる。
「ダベリング」 真紗絵は誰とでも 屈託無く話す。
「いいよ。 帰ってもすることないし」
「じゃ、行こう」 三人でテニス部の部室へ 歩いて行った。
部室に入ってからは 真紗絵が会話をリードする。 そしてもれなく付いてくるのが灰皿だ。
真紗絵が ロッカーから灰皿を出した。 それを見た秋美は 驚く様子が無い。
秋美の様子を伺っていた志乃も 鞄からタバコを出すと 秋美が驚いて
「志乃ちゃんタバコ吸うの?」 ついうっかり大きな声だ。
「しっ、なんて大きな声で言うのよ もし先生が前を歩いてたら どうするのよ」 咄嗟に真紗絵が言った。
「あ、ごめん。 あまりにもビックリしたから・・・志乃ちゃんいつからなの?」
「ほんの少し前」
「志乃ったら凄いのよ。 ふかしてんじゃなくて 完全に肺よ」
「え?」 驚いて秋美が志乃を見た。
「それってどういう意味?」 何のことか分からず 志乃が真紗絵に聞いた。
「なに? 吸い方よー。 何も分かんないで吸ってたの?」
「ちょっと待って、待って。 志乃ちゃんどうしたのよ」 二人の間に 秋美が割って入るように聞いてきた。
「別にどうしたってことじゃないけど 吸い方って 意味わかんないんだけど」
「普通は口の中まで。 なのに志乃ったら 肺まで吸い込んでるでしょ」
「え? だって息を吸うように 吸うんでしょ?」
「うっそー 信じられない 志乃ちゃんが・・・」 秋美にとっては 真面目一本の志乃であったはずだったのだ。
「部活も辞めれば そうなるわよね、志乃。 それに可笑しいのよ 志乃ったら18歳で 煙草を吸ってもいいと 思ってたらしいの 世間知らずもいい所よね」
「はぁ? 志乃ちゃんって 真面目じゃなくて天然なの?」
「だって、煙草もお酒も 同じと思うじゃない」
「え?」 秋美と真紗絵が 同時に志乃を見た。
「だから こんなことって どちらかが18歳までって言ったら どちらもそうだと思うじゃない」
「もしかして お酒も18歳からだと思ってるの?」 真紗絵が志乃に聞いた。
「え? 違うの?」 真紗絵と秋美は大笑いだ。
「志乃ちゃん いいわぁー」 笑いながら秋美が言い そして
「私、志乃ちゃんを見る目 変えよー」 こう付け足した。
「でしょ、志乃って結構面白いわよ」
「何よそれ! 知らないものは知らないのは 仕方の無いことでしょ」
それからは 三人でお喋りすることが多くなったが 高校三年生、いつまでも お気楽にはしていられない。
進路がある。