僕と僕の母様 第99回

大福りす

僕と僕の母様 第99回




かなり車をとばしたこともあって 早くに駅に着けた。


僕の計算では 重い荷物を 自転車に積んで走るつもりだったので 五時までに家を出ると言う予定が 五時起きで家を出る事になってしまったが さすがに車だ 予定していた時間に しっかりと駅に着けた。 


車を降りようとした時に


「はい、お昼代」 そう言って 千円手渡された。


ああそうだ忘れてた。 お昼代を自分で出すと お土産代が減ってしまうところであった。


「ありがとう。 気を付けて帰るんだよ とばしちゃダメだよ」


「今から急いでも仕方ないし とばさない。 それより早く、電車くるよ」 僕は後部座席に積んであった荷物を下ろして 助手席の窓から


「じゃ、行ってきます」 そう言った。 すると半ベソも収まったようで


「行ってらっしゃい 楽しんでおいでね」 ケロっとまるで何もなかったかのように言い


「早く、早く」 と僕を急かした。 まるで僕が寝坊して 遅くなったようだ。


どんな理由にせよ 朝早くに駅まで車で送ってくれた母様の「楽しんでおいでね」 という願いを 神様が聞いてくれたのか、時空が変わったのか どうなのかは分からないが 僕の憂鬱を吹き飛ばす出来事が 沢山あって スキー研修中に 笑わせてくれた 何人かがいた。


無事集合時間に間に合い 少しして点呼が始まった。


一人足りない。


それは必ず ここぞという時に 何らかの事情で出席できない奴が 一人いる。


それが順平だ。 一年の時の遠足も熱が出て 欠席だった順平。


この時にも 前日の深夜に高熱が出て インフルエンザらしく欠席。


可哀想な奴だけど 思わずクラスのほとんどで「またかー」 と笑ってしまった。


というより 心配している人間がいなかった。 わりと皆、薄情かな 僕も含めてだけど。


学校から バスで新幹線の止まる 大きな駅まで行く。


バスの中は クラス単位なので それぞれ分かり合った者同士が 勝手に話している といった具合だ。


僕も特に順平がいないから 一人というわけではないのだが まるで一年生の時のように 誰彼無く話しかけてくる。


でも朝早くに 起きなくちゃいけなかったし バスの揺れも心地良く 僕は眠りたいのだ。 これ以上誰にも 話しかけられないように 上着を顔の上に乗せて 眠りについた。


一時間もかからないで 駅に着いた。


新幹線のホームまで ゾロゾロと移動だ。


朝が早いと言うこともあって そんなに人はいないだろう と思っていたのだが 案外多い。


そうかよく考えると 自分自身が電車に乗った時間は 早かったけど 今はもう七時を過ぎているのだから 普通に通勤、通学時間になっているんだ。


新幹線の中では みんなおやつを持ち込んで パーティーまがいな事で 盛り上がっているようだ。


僕はまたまた上着を顔に乗せて 先生の怒鳴る声を 遠くに聞きながら眠りについた。


何時間乗っていたのだろうか 降りる駅に着いたようだ。


先生の声で みんな降りる用意を始める。


新幹線を降りてから 駅の広場のような所で お弁当タイムだ。 時間の余裕はそんなに無い。


僕は学校の行きしに買った おにぎりとジュースの入ったコンビニ袋を持って 広場の隅に座った。


コンビニ袋を ガサガサしていると 僕と同じようにコンビニの袋を持った 同じクラスの奴が前から歩いてきて


「隣で食べていい?」 コンビニの袋を 顔の前で揺らしながら そう聞いて隣に座った。






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