僕と僕の母様 第37回
僕と僕の母様 第37回
一年サックスは毎回練習を休まず とても真面目にやってきた。
それに練習熱心だ。 いつも渡り廊下に出て 当時の僕と同じように 音階、ロングトーンと地道に練習をしている。
この練習は 僕が一年サックスに言ったものだ。
「音階とロングトーンは 必ず毎回するほうがいいと思うよ。 特にロングトーンは とても大切な練習だから 長めの時間の練習をお勧めするよ。」
「はい。 ありがとうございます。」 そう言って 毎回練習をしているのだが 少し気になって その日、一年サックスが部室を出て 渡り廊下に行こうとした時に 一言添えた。
「いつも練習をしているのを 聞いてるけど ロングトーンしすぎると 頬っぺたが痛くなっちゃうから 気をつけてね。」
「はい、もうずっと痛かったです。」 笑顔で答えた。
「え、そうだったの? 無理しちゃ駄目だよ。」 あまりの正直さに呆れた。 正直と言っても 今の返事に対してではない。 練習に対する正直さだ。
「痛いのが嬉しいんです。」 ニッコリ笑って とても満足気ですけど それってMとかSとかって いうのじゃないよね。 この正直な人間を目の前に そう考えた自分が 情けない。
「ほどほどにね。」 情けない自分を感じながら 頭に浮かんだ言葉が これ一つだった。
僕も負けてはいられない。
一年サックスが 二階の渡り廊下で 練習している時、僕は三階の渡り廊下で 練習をしようとした。 少しでも上から目線で・・・馬鹿な自分がここにもいた。
多分こういうところの考え方も 母様似なのだろう。 でもこの事を 母様に言うと どんな答えが返ってくるか 充分想像できる。 言わないでおこう。
それから数日経った頃。
ふと気付くと 一年サックスが持っているサックスの サビやくすみが なくなってきたような気がしたので
「あれ、気のせいかなきれいになってない?」
「あ、分かりますか 練習日にも磨いてたんですけど この間の土日に家に持って帰って リキ入れて磨いたんです。」・・・なんてお利口さんなんだろう。 僕はまたまた 自分が情けなくなった。
僕も何度か家に持ち帰って 練習をしたことがあったが 特別に磨いたりはしなかった。
あれだけ僕のヘタッピな練習に 付き合ってくれたサックス君だったのに、情けない僕にまたまた自己嫌悪だ。
そんな毎日を繰り返しながら 僕も少しづつ上達して来た。
旧部長も時々様子を見に来てくれて 僕や一年サックスに教えてくれたり 僕が最初なかなか慣れなかった あのグランドピアノの上におやつを並べての おしゃべりタイムで 大学のいろんな話しを 聞かせてくれたりした。
新部長は旧部長とは全然違うタイプだし あまり好きではない。 だから旧部長が来てくれた日は とても充実する。
この頃に僕達の教室の前で あまり見たことのない女の子が 時々ウロウロしているのを 何度か見かけた。
最後まで読んで頂きまして有難う御座います。
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ご協力有難う御座いました。
一年サックスは毎回練習を休まず とても真面目にやってきた。
それに練習熱心だ。 いつも渡り廊下に出て 当時の僕と同じように 音階、ロングトーンと地道に練習をしている。
この練習は 僕が一年サックスに言ったものだ。
「音階とロングトーンは 必ず毎回するほうがいいと思うよ。 特にロングトーンは とても大切な練習だから 長めの時間の練習をお勧めするよ。」
「はい。 ありがとうございます。」 そう言って 毎回練習をしているのだが 少し気になって その日、一年サックスが部室を出て 渡り廊下に行こうとした時に 一言添えた。
「いつも練習をしているのを 聞いてるけど ロングトーンしすぎると 頬っぺたが痛くなっちゃうから 気をつけてね。」
「はい、もうずっと痛かったです。」 笑顔で答えた。
「え、そうだったの? 無理しちゃ駄目だよ。」 あまりの正直さに呆れた。 正直と言っても 今の返事に対してではない。 練習に対する正直さだ。
「痛いのが嬉しいんです。」 ニッコリ笑って とても満足気ですけど それってMとかSとかって いうのじゃないよね。 この正直な人間を目の前に そう考えた自分が 情けない。
「ほどほどにね。」 情けない自分を感じながら 頭に浮かんだ言葉が これ一つだった。
僕も負けてはいられない。
一年サックスが 二階の渡り廊下で 練習している時、僕は三階の渡り廊下で 練習をしようとした。 少しでも上から目線で・・・馬鹿な自分がここにもいた。
多分こういうところの考え方も 母様似なのだろう。 でもこの事を 母様に言うと どんな答えが返ってくるか 充分想像できる。 言わないでおこう。
それから数日経った頃。
ふと気付くと 一年サックスが持っているサックスの サビやくすみが なくなってきたような気がしたので
「あれ、気のせいかなきれいになってない?」
「あ、分かりますか 練習日にも磨いてたんですけど この間の土日に家に持って帰って リキ入れて磨いたんです。」・・・なんてお利口さんなんだろう。 僕はまたまた 自分が情けなくなった。
僕も何度か家に持ち帰って 練習をしたことがあったが 特別に磨いたりはしなかった。
あれだけ僕のヘタッピな練習に 付き合ってくれたサックス君だったのに、情けない僕にまたまた自己嫌悪だ。
そんな毎日を繰り返しながら 僕も少しづつ上達して来た。
旧部長も時々様子を見に来てくれて 僕や一年サックスに教えてくれたり 僕が最初なかなか慣れなかった あのグランドピアノの上におやつを並べての おしゃべりタイムで 大学のいろんな話しを 聞かせてくれたりした。
新部長は旧部長とは全然違うタイプだし あまり好きではない。 だから旧部長が来てくれた日は とても充実する。
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