僕と僕の母様 第42回
僕と僕の母様 第42回
「ふーん、ふーん」 僕の顔をわざと覗き込みながら
「まあ、少しは大きくなってきたのかなあ 大人に近づいてきたのかなあ 今までどんな修理の人が来てても 知らない顔ですぐに二階に上がってた人が ちょっとは関わらなくちゃと思ったわけ?」
「別に。 電話が無いと お母さんの一日の楽しみが無くなるから 早く直るといいなと思って言っただけ」
母様は友達と電話で話し出したら 二、三時間は当たり前 酷いときには五、六時間ほど話してるのだ。
「へー、へー、それはそれはご心配して頂きまして ありがとうごじゃります。」 そう言って
「はい、お利口さん」 僕の頭をよしよしと撫でた。
おちょくられて 腹が立つけど笑えてしまう。
そんなことが直接の原因で 赤くなってたのとは違うんだ。 イヤ、赤くなってたという事は自覚していなかったが 修理の人にくってかかったのは 僕のムカムカを八つ当たりしてたんだ。
何も分かってない母様が その僕を褒める。
母様も僕のことを分かっているようで 分かっていないんだと思うと 何故か笑えてしまう。
そう思っていると ムカムカも薄くなってきた。 少し気分が良くなって
「この前の人と違うね」 そう聞いてみた。
「ああ、一回目の人ね 違うよ。 それに二回目は一回目の人と一緒に 違う人がきて二人だったけど 今日の三回目はまた違う人だし だんだん偉いさんが来てるんじゃない? ああ、そんな事どうでもいい また調子悪くなったら電話するのイヤだ」 そう言ってソファーにドーンと座った。
「いいじゃん、今度は新しいのと 取り替えてくれるって言ってたんだから そうしてもらった方が すっきりするじゃない」 いつもの僕と母様らしい会話に戻った。
ついでに言うと 僕のムカムカは この世界でもう二人に対してもある。
修理の人に対しては はっきりとムカムカの理由が分からなかったが でもこの二人に対してのムカムカは 僕自身理由が分かっている。
一人目は 母様のパート先のアルバイト君だ。
それまではずっと家にいて 時々お小遣い稼ぎと言って 内職をしていたのだが 僕が中学二年の終わり頃に 朝9時からお昼の1時までパートに出だした。
そこで一緒に働いている アルバイト君がムカムカの対象だ。
そのアルバイト君のことを母様はよく話す。
俗に言うフリーターなのだが 僕より五つ位年上らしく 自分の夢を追っていて 単に定職に就かないのとは訳が違うらしい。
「陵也には きちんと働いてもらいたいという気持ちがあるけど 一生に一度の自分の人生、大切に目一杯生きてほしいし 充実してほしいから もし夢を持ったのならば そっちの方面に全力投球してみるのもいいかなと思う」
そう言っていた母様の考えにピッタリのアルバイト君は 母様の目に良く映るのだろう。 それが許せない。
それのどこが許せないのかと聞かれると その質問からズレた答えになるかもしれないが
母様の息子は僕だけなんだ。
そういう答えしか出てこない。 それ以上でも以下でも答えはない。 それ以外の答えは無いのだ。
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有難う御座いました。
「ふーん、ふーん」 僕の顔をわざと覗き込みながら
「まあ、少しは大きくなってきたのかなあ 大人に近づいてきたのかなあ 今までどんな修理の人が来てても 知らない顔ですぐに二階に上がってた人が ちょっとは関わらなくちゃと思ったわけ?」
「別に。 電話が無いと お母さんの一日の楽しみが無くなるから 早く直るといいなと思って言っただけ」
母様は友達と電話で話し出したら 二、三時間は当たり前 酷いときには五、六時間ほど話してるのだ。
「へー、へー、それはそれはご心配して頂きまして ありがとうごじゃります。」 そう言って
「はい、お利口さん」 僕の頭をよしよしと撫でた。
おちょくられて 腹が立つけど笑えてしまう。
そんなことが直接の原因で 赤くなってたのとは違うんだ。 イヤ、赤くなってたという事は自覚していなかったが 修理の人にくってかかったのは 僕のムカムカを八つ当たりしてたんだ。
何も分かってない母様が その僕を褒める。
母様も僕のことを分かっているようで 分かっていないんだと思うと 何故か笑えてしまう。
そう思っていると ムカムカも薄くなってきた。 少し気分が良くなって
「この前の人と違うね」 そう聞いてみた。
「ああ、一回目の人ね 違うよ。 それに二回目は一回目の人と一緒に 違う人がきて二人だったけど 今日の三回目はまた違う人だし だんだん偉いさんが来てるんじゃない? ああ、そんな事どうでもいい また調子悪くなったら電話するのイヤだ」 そう言ってソファーにドーンと座った。
「いいじゃん、今度は新しいのと 取り替えてくれるって言ってたんだから そうしてもらった方が すっきりするじゃない」 いつもの僕と母様らしい会話に戻った。
ついでに言うと 僕のムカムカは この世界でもう二人に対してもある。
修理の人に対しては はっきりとムカムカの理由が分からなかったが でもこの二人に対してのムカムカは 僕自身理由が分かっている。
一人目は 母様のパート先のアルバイト君だ。
それまではずっと家にいて 時々お小遣い稼ぎと言って 内職をしていたのだが 僕が中学二年の終わり頃に 朝9時からお昼の1時までパートに出だした。
そこで一緒に働いている アルバイト君がムカムカの対象だ。
そのアルバイト君のことを母様はよく話す。
俗に言うフリーターなのだが 僕より五つ位年上らしく 自分の夢を追っていて 単に定職に就かないのとは訳が違うらしい。
「陵也には きちんと働いてもらいたいという気持ちがあるけど 一生に一度の自分の人生、大切に目一杯生きてほしいし 充実してほしいから もし夢を持ったのならば そっちの方面に全力投球してみるのもいいかなと思う」
そう言っていた母様の考えにピッタリのアルバイト君は 母様の目に良く映るのだろう。 それが許せない。
それのどこが許せないのかと聞かれると その質問からズレた答えになるかもしれないが
母様の息子は僕だけなんだ。
そういう答えしか出てこない。 それ以上でも以下でも答えはない。 それ以外の答えは無いのだ。
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