彼女達 第12回
彼女達 第12回
教室に帰ると みんなが合格しただとか まだこれからだとかで話は盛り上がっている。
「志乃ちゃん 何処に行ってたの?」 秋美が教室に入ってきた志乃を見つけて聞いてきた。
「進路指導室」
「なに? 何しに行ってたの?」
「履歴書を書かされてた」
「あ、そうなんだ」
「秋美ちゃん 結果はまだ?」
「うん まだ」
「真紗絵は今日発表を見に行ってるのよね。 どうなったかなぁ?」
「郵送にしてくれたらいいのにね。 ねぇ、一緒にお喋りしようよ」 志乃は秋美の周りの賑やかさは 苦手である。
「うん・・・あっちに行く」 クラブ員ばかりが集まってる方を見た。
「そっか」
大半の生徒の進路は決まっていた。 特にクラブ員たちは皆同じ所を受けていて 全員合格をしているからお気楽なものだ。
中には決まっていない者が少し居るが 志乃のように試験日がまだという者や まれにクラブ員でないものが試験に落ちていた。
5時間目が始まろうとした時 ガラガラと戸を開け 真紗絵が教室に入って来た。
「わぁー、真紗絵どうだった?」 一人の大きな声がして 全員が真紗絵を見た。
「合格だよー」
「キャー やったじゃない おめでとう」 教室が一気に賑やかになった。
週が明け 志乃の試験の日がやって来た。
何とか電車を乗り継ぎ 迷わず行けたものの 会社の前に立ってビックリしている。
「ここ?」 予想もしていなかった あまりの大きさに 度肝を抜かれているのだ。
「A株式会社 入社試験会場・・・確かにここよね」 矢印の通りに歩いていくが 社内を自転車で移動している 社員を何人か見た。
「こんな大きな所が私を採用するの?」
矢印に従って歩いて行くと 段々と人で溢れかえってきた。 それを整理する人の声が聞こえる。
「受付を済ませて 番号を受け取ったら こちらで案内します」
志乃も受付を済ませて番号を受け取った。
見渡すと何番から何番まではこちらと矢印が書かれてあった。
人に聞くことも無く自分の番号の矢印に従って歩いていくと 試験室の前に辿り着いた。
「ここよね」 もう既に何人かが座っていた。
「こんなに沢山受けるなんて そんなこと先生何にも言ってなかったわよ。 絶対無理じゃない。 勉強も何もしてきてないのに」
そんな文句を言っていても 始まるものは始まる。 とうとう試験管がやってきて 試験が始まった。