みち ~未知~ 第6回
『みち』 ~未知~ 第6回
気持ちを落ち着かせるために キッチンへ行きコーヒーを入れ そのままテーブルの椅子に座った。
新しい課長との折り合いは確かに良くはなかったが そんなこと長く勤めていた中で 何度かあったこと。 それに辞めるに値するほど悪かったわけではない。
余りに琴音に何もかもを聞くものだから琴音の仕事が進まない。 それに対して「いい加減に仕事を覚えてよ」 と思ったくらいのものであった。
折り合いが悪いと言うより 琴音に少し不服があったくらいのものであったのだ
「そうよ、どうしてだか急に辞めなくなっちゃったのよ。 辞める気持ちの理由付けに課長のことが浮かんだのよ。 どうしてなの? 何でそんなこと思ったの?」 自問自答するが答えは返ってこない。
「はぁー」 溜息ばかりが出てくる。
頭の中は真っ白だ。 ぼぉっとしたままコーヒーを一口飲み頭をもたげ コーヒーカップを両手で包むように持った時 また『悠森製作所』 と言う言葉が頭に響いた。
「何?」 まるで何処からか声が聞こえたかのように 前を見、周りを見渡した。
「声が聞こえたわけじゃないんだから 誰も居る筈ないわよね・・・」 その日は自分に落ち込みながらも 眠りについた。
翌朝、ハローワークへ報告に行かなくてはと思った琴音は 掃除や洗濯を済ませ バスでハローワークへ向かった。
昨日の報告をした時 何を責められる訳ではなかったのに
「職員さんに合わせる顔がないわ。 ハローワークには当分行かないでおこう」 そんな風に思った。 いや、思わされたのかもしれない。
それからは新聞広告や求人広告を読み漁ったのだが コレといった所がない。 結局、毎日をダラダラとすごす日が続き とうとう琴音は誕生日を迎えてしまった。
「ああ、こんなに迎えたくないお誕生日は初めてだわ」 親友や以前勤めていた会社の後輩達から お誕生日おめでとうメールが入るが
親友には『全然おめでたくないから』 と返信し、後輩には先輩としてのプライドがある。『ありがとう。 仕事順調?』 等と返信をしていた。
この後輩達というのは 前の職場で琴音が可愛がっていた後輩達だ。 プライドも勿論あったがそれ以上に急に自分が辞めたことにより 後輩達に迷惑はかかっていないだろうかという心配があった。
数分後に一人の後輩から返信があった。
『先輩が辞めちゃったから 荷が重いですよ。 でも面白い話がありますよ。 課長ったら先輩が辞めて頼れる人がいないからテンテコ舞いになってますよ。 みんなでプッて笑っちゃってます』 可愛い返事をもらって 少し心が安らいだ琴音であったが 後輩にも勿論、課長にも迷惑をかけていると思いながらも その後も誕生日を迎えてしまったショックからか 何もする気がしない。
またメールの着信音が鳴った。 他の後輩達からのメールであった。 その内容を見て
「みんな頑張ってくれているのね」 少し気が楽になったようだ。
そこへ電話が鳴った。 キッチンに置いてある電話に出ると
「お誕生日おめでとう」 美川憲一を真似て言っている。
「暦? なにやってんのよ」 思わず笑いそうになった。
琴音と同郷で小学生の頃からの親友である。 琴音と同じく就職のため田舎から出てきて 琴音とは違う所に就職をした。 そしてそのまま社内結婚をし、出産を機に退職をしていた。
お互い勤めをしていた若かった当時は よく行き来をしていたが 暦の結婚を機に段々と会う事も薄れていったのだが 偶然、子供をつれた暦家族と駅で会い それから付き合いが再開した。
今は琴音のマンションからは車で30分ほどの所に住んでいる。
「だってあんなに しょぼくれたメール送ってくるんだもん。 どう? 少しは元気になった?」 暦なりの励まし方のようだ。
気持ちを落ち着かせるために キッチンへ行きコーヒーを入れ そのままテーブルの椅子に座った。
新しい課長との折り合いは確かに良くはなかったが そんなこと長く勤めていた中で 何度かあったこと。 それに辞めるに値するほど悪かったわけではない。
余りに琴音に何もかもを聞くものだから琴音の仕事が進まない。 それに対して「いい加減に仕事を覚えてよ」 と思ったくらいのものであった。
折り合いが悪いと言うより 琴音に少し不服があったくらいのものであったのだ
「そうよ、どうしてだか急に辞めなくなっちゃったのよ。 辞める気持ちの理由付けに課長のことが浮かんだのよ。 どうしてなの? 何でそんなこと思ったの?」 自問自答するが答えは返ってこない。
「はぁー」 溜息ばかりが出てくる。
頭の中は真っ白だ。 ぼぉっとしたままコーヒーを一口飲み頭をもたげ コーヒーカップを両手で包むように持った時 また『悠森製作所』 と言う言葉が頭に響いた。
「何?」 まるで何処からか声が聞こえたかのように 前を見、周りを見渡した。
「声が聞こえたわけじゃないんだから 誰も居る筈ないわよね・・・」 その日は自分に落ち込みながらも 眠りについた。
翌朝、ハローワークへ報告に行かなくてはと思った琴音は 掃除や洗濯を済ませ バスでハローワークへ向かった。
昨日の報告をした時 何を責められる訳ではなかったのに
「職員さんに合わせる顔がないわ。 ハローワークには当分行かないでおこう」 そんな風に思った。 いや、思わされたのかもしれない。
それからは新聞広告や求人広告を読み漁ったのだが コレといった所がない。 結局、毎日をダラダラとすごす日が続き とうとう琴音は誕生日を迎えてしまった。
「ああ、こんなに迎えたくないお誕生日は初めてだわ」 親友や以前勤めていた会社の後輩達から お誕生日おめでとうメールが入るが
親友には『全然おめでたくないから』 と返信し、後輩には先輩としてのプライドがある。『ありがとう。 仕事順調?』 等と返信をしていた。
この後輩達というのは 前の職場で琴音が可愛がっていた後輩達だ。 プライドも勿論あったがそれ以上に急に自分が辞めたことにより 後輩達に迷惑はかかっていないだろうかという心配があった。
数分後に一人の後輩から返信があった。
『先輩が辞めちゃったから 荷が重いですよ。 でも面白い話がありますよ。 課長ったら先輩が辞めて頼れる人がいないからテンテコ舞いになってますよ。 みんなでプッて笑っちゃってます』 可愛い返事をもらって 少し心が安らいだ琴音であったが 後輩にも勿論、課長にも迷惑をかけていると思いながらも その後も誕生日を迎えてしまったショックからか 何もする気がしない。
またメールの着信音が鳴った。 他の後輩達からのメールであった。 その内容を見て
「みんな頑張ってくれているのね」 少し気が楽になったようだ。
そこへ電話が鳴った。 キッチンに置いてある電話に出ると
「お誕生日おめでとう」 美川憲一を真似て言っている。
「暦? なにやってんのよ」 思わず笑いそうになった。
琴音と同郷で小学生の頃からの親友である。 琴音と同じく就職のため田舎から出てきて 琴音とは違う所に就職をした。 そしてそのまま社内結婚をし、出産を機に退職をしていた。
お互い勤めをしていた若かった当時は よく行き来をしていたが 暦の結婚を機に段々と会う事も薄れていったのだが 偶然、子供をつれた暦家族と駅で会い それから付き合いが再開した。
今は琴音のマンションからは車で30分ほどの所に住んでいる。
「だってあんなに しょぼくれたメール送ってくるんだもん。 どう? 少しは元気になった?」 暦なりの励まし方のようだ。