僕と僕の母様 第124回
僕と僕の母様 第124回
忘れていたあのバタフリーが そこに座っているのだ。
それも 僕のクラスで 一番頭の良い奴と 向かいあって 座っているのだ。
スキー研修のときに 一緒にお風呂に入って コイツの話が長すぎたから 僕が湯だってしまったっていうやつだ クラスのそいつが
「あ、掃除当番だったの?」 僕に気づいて そう聞いてきた。
「うん・・・何やってるの?」 不思議なツーショットに 疑問を投げかけた。
「彼女 今度の危険物を 受けるんだって だから試験が終わったら 教えてくれって 頼まれてたんだ」
「危険物を受けるって バタフリ・・・イヤ、彼女進学コースでしょ 危険物なんて 関係ないじゃん」 僕のそのセリフに バタフリー自身が 返事をしてきた。
「学校の勉強は 家に帰ってから ちゃんとやっています。 放課後の時間だけ 彼に習ってるんです。 彼ってどんな資格試験も 受けてるじゃないですか それってすごいと 思うんですね。 それで私も 何でも勉強してみようかなって思って。 それで資格を 取ろうかなって」 笑顔を こっちに向けるんじゃない。 あれ? 今「彼」 って言ったか? ふーん。
確かに この同級生は 工業に限らず ありとあらゆる資格試験を 受けていて 殆どが合格だ。
ちなみに僕といえば 工業関係の資格試験を 授業の一環で 幾つか強制的に 受けさせられたが 見事に全滅なのだ。 その僕と比べるのも 何なのだが 確かに授業で習っていない 色んな試験を受けて 合格している その事には 僕もすごいと思うが それとこれとは 違うだろう。 試験を受けるにしても 進学コースなら 英検とか漢検を 受ければいいじゃないか。 なんで工業関係なんだよ。
「彼女頑張ってるんだよ。 今日までの定期考査の勉強も しっかりやってたみたいだし その後に 何も分からない危険物でしょ、えらいよ。 僕が何言っても 結構理解してるしね」 するとバタフリーが 照れたように
「定期考査一週間前になるまでは 危険物の勉強も 自分なりにしてましたから 少しは分かりますよ」 照れるな。
これ以上バタフリーに 関わりたくない。
「じゃ頑張って、僕帰るから」 早々に立ち去ろう。
「おう、掃除お疲れさん。 また明日な」 今度の餌食は君だよ。 いつまでそんな 元気でいられるかな?
「先輩お疲れさまでした。 また明日」 話しかけるな。
そして僕の方も 定期考査の後は 危険物の勉強で 毎晩遅くまで起きていた。
この勉強嫌いな僕が ここまで勉強をするっていうのは いったい何なんだろう? 自分で自分が 不思議になるくらい 危険物の勉強が面白い。
もしかして 勉強という捉え方を していないのだろうか? 自分が全く分からない。
一週間が過ぎた。 試験の日がやってきた。 前回と同じく 試験は学校で行われる。
学校へ行き 僕の受ける 指定された試験教室に入ろうと 幾つかの教室の前を通り過ぎると ふとバタフリーが 目に入ってきた。
向こうもこっちに気付いて 席を立ち こっちの方に走りながら「先輩」 と叫んでくる。
うわー、幸先が悪い。
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