みち ~未知~ 第109回
『みち』 目次
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『みち』 ~未知~ 第109回
「仏教のお話じゃなかったけど、でも久しぶりに和尚様のお話を聞けたわ」 満足げにコーヒーカップを両手で包んだ。
「あ、もう冷たくなってるじゃない」 一気に飲み干し、また次を作りにキッチンへ向かった。
その夜、布団に入りウトウトして意識が遠のいていきかけた時、急に『シャン』 という音が聞こえた。 いや、頭に響いた。 その音で意識が戻った。
「まただわ。 何の音かしら? いっぱい鈴が付いてるような音だったわ」 神楽鈴である。
「・・・寝よ」
会社で 男性人が奥の事務所に行かず 営業社員も一緒に 琴音のいる表の事務所で朝のコーヒーを飲みながらなにやら話をしている。
「じゃあ、そうしましょうか」 いつもとなりの事務所で仕事をしている社員の一人が言った。
「ああ、暫く仕事と平行で大変だろうけど みんな時間を作ってやってくれ」 社長がみんなの方を見渡していい、続けて琴音のほうを向き大きめの声で
「織倉さん、そういう事だから」 琴音にそう言いかけた途中でさっき話した社員が
「社長、織倉さんは何も知りませんよ」 笑いながら言った。
「あ、そうか。 何も言ってなかったな」 琴音がキョトンとしている。
「あのね、大きな声じゃ言えないけど 会社も業績が上がらないから経費の削減を考えようと思ってね」
「はい」 琴音が相槌を打つ。
「それでまずは光熱費の削減で奥の事務所でしていた仕事を全部こっちの事務所でしようと思うんだ。 これから奥の事務所の書類やPCの移動を仕事の合間にするから ちょっとガタガタするけど織倉さんは気にしなくていいから、ただ拭き掃除なんかは手伝ってやってくれるかい」
「はい。 分かりました。 でも指示を出していただいたら他にもお手伝いします」
「じゃあ、そのときはお願いするね」 社長がそう言い、続けて
「どうする? 今からちょっとづつでもやっていこうか?」 そう言うと
「急なことだし今日はみんな無理でしょう。 明日からはどうですか?」 さっきの社員だ。
「そうか、じゃあ明日から少しずつでもいいから始めよう。 移動にかかわるのは奥の事務所で仕事をしていた5人だけだ。
営業の社員は営業に出て行き、先程の社員はこの事務所に残り 他の社員4人と社長が奥の事務所に行き仕事の傍ら机や棚の片付けをし始めだした。
残った先程の社員が移動の殆どを仕切るようで 琴音が立った時にチラッと机に向かっている男性の手元を見ると どこに何を置くかを書き出していた。 PCや電話の配線の関係があるのであろう。 そういう事はこの社員がいつも仕切っていた。
ただこの社員にも仕事がある。 いつまでも表の事務所でそんな事をしていられないので キリがついたときに奥の事務所に行き仕事を始めた。
「はぁ、すごく急な話しなんだけど。 ・・・私ちゃんとみなさんと会話が出来るかしら」 長い間一人で事務所で過ごしていたが故、不安が襲ってきた。
午前中の仕事を一通り終え、あと15分で昼休みだ。
「これからまた違う事をするにも中途半端よね。 それにこうして一人でゆっくりしていられるのももう少しでお終いなのよね」 大きく息を吸い深呼吸のようにした。
すると閉じられた瞼の中は急に真っ白になった。
「あら? きれいな白だわ」 その途端、瞼の向こうでレーザーショーが始まった。
「うわ! キレイ」 琴音の瞼の向こうではまるで舞台を照らすかのように色とりどりのレーザーが照射されていたのだ。
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「仏教のお話じゃなかったけど、でも久しぶりに和尚様のお話を聞けたわ」 満足げにコーヒーカップを両手で包んだ。
「あ、もう冷たくなってるじゃない」 一気に飲み干し、また次を作りにキッチンへ向かった。
その夜、布団に入りウトウトして意識が遠のいていきかけた時、急に『シャン』 という音が聞こえた。 いや、頭に響いた。 その音で意識が戻った。
「まただわ。 何の音かしら? いっぱい鈴が付いてるような音だったわ」 神楽鈴である。
「・・・寝よ」
会社で 男性人が奥の事務所に行かず 営業社員も一緒に 琴音のいる表の事務所で朝のコーヒーを飲みながらなにやら話をしている。
「じゃあ、そうしましょうか」 いつもとなりの事務所で仕事をしている社員の一人が言った。
「ああ、暫く仕事と平行で大変だろうけど みんな時間を作ってやってくれ」 社長がみんなの方を見渡していい、続けて琴音のほうを向き大きめの声で
「織倉さん、そういう事だから」 琴音にそう言いかけた途中でさっき話した社員が
「社長、織倉さんは何も知りませんよ」 笑いながら言った。
「あ、そうか。 何も言ってなかったな」 琴音がキョトンとしている。
「あのね、大きな声じゃ言えないけど 会社も業績が上がらないから経費の削減を考えようと思ってね」
「はい」 琴音が相槌を打つ。
「それでまずは光熱費の削減で奥の事務所でしていた仕事を全部こっちの事務所でしようと思うんだ。 これから奥の事務所の書類やPCの移動を仕事の合間にするから ちょっとガタガタするけど織倉さんは気にしなくていいから、ただ拭き掃除なんかは手伝ってやってくれるかい」
「はい。 分かりました。 でも指示を出していただいたら他にもお手伝いします」
「じゃあ、そのときはお願いするね」 社長がそう言い、続けて
「どうする? 今からちょっとづつでもやっていこうか?」 そう言うと
「急なことだし今日はみんな無理でしょう。 明日からはどうですか?」 さっきの社員だ。
「そうか、じゃあ明日から少しずつでもいいから始めよう。 移動にかかわるのは奥の事務所で仕事をしていた5人だけだ。
営業の社員は営業に出て行き、先程の社員はこの事務所に残り 他の社員4人と社長が奥の事務所に行き仕事の傍ら机や棚の片付けをし始めだした。
残った先程の社員が移動の殆どを仕切るようで 琴音が立った時にチラッと机に向かっている男性の手元を見ると どこに何を置くかを書き出していた。 PCや電話の配線の関係があるのであろう。 そういう事はこの社員がいつも仕切っていた。
ただこの社員にも仕事がある。 いつまでも表の事務所でそんな事をしていられないので キリがついたときに奥の事務所に行き仕事を始めた。
「はぁ、すごく急な話しなんだけど。 ・・・私ちゃんとみなさんと会話が出来るかしら」 長い間一人で事務所で過ごしていたが故、不安が襲ってきた。
午前中の仕事を一通り終え、あと15分で昼休みだ。
「これからまた違う事をするにも中途半端よね。 それにこうして一人でゆっくりしていられるのももう少しでお終いなのよね」 大きく息を吸い深呼吸のようにした。
すると閉じられた瞼の中は急に真っ白になった。
「あら? きれいな白だわ」 その途端、瞼の向こうでレーザーショーが始まった。
「うわ! キレイ」 琴音の瞼の向こうではまるで舞台を照らすかのように色とりどりのレーザーが照射されていたのだ。